美食の国、フランス。フランスはミシュランの発祥の地でもあります。今回は、そんな本場でミシュラン一つ星を獲得したAccents Table Bourseというレストランにお邪魔してきました。ここは日本人シェフの杉山あゆみシェフのお店で、O'bon Parisスタッフのイチオシのお店です。早速詳しく見ていきましょう!
星の数ほどあるパリのレストランの中から、実際に行くお店を選ぶのは難しいものですよね。でも、せっかくフランスに来たのなら、ミシュラン星付きレストランで美食体験をしなきゃもったいない!ミシュランの星付きレストランで過ごす時間は、ただの食事ではなく、体験としての食。脳裏に色濃く刻まれるように鮮烈な、五感全体で楽しむエクスペリエンスです。言ってみれば五感のテーマパークのようなもの。全てが細部までこだわりぬかれていて、料理、皿、ワインとのペアリング、サービス、クリエイティビティ、全てが美しく感動的でテーブルの上はまるで劇場のよう。こんな至福体験をせずに日本に帰るなんてもったいない!というわけで、今回はパリで感動体験ができる、おすすめレストランAccents Table Bourseをご紹介します。パリ旅行やフランス旅行の方も、パリ在住の方も、ぜひメモのご用意を!
Accents Table Bourseは、自信をもっておすすめするお店。なぜかというと、まずはお料理のおいしさ、次にミシュラン星付きにもかかわらず手が届きやすい価格(ランチコースは1人52€から、ディナーコースは1人100€から)、最後にアクセスの良さ(メトロのブルス駅からすぐで、美術館のブルス・ド・コメルスの近く)!
住所: 24 rue Feydeau, 75002 Paris
営業時間: 火-土 12:00–14:00, 19:00–22:00
アクセス: メトロ3番線 Bourse駅
店内に一歩足を踏み入れると、ナチュラルシックな、やわらかさとしなやかな力強さが美しく組み合わさった空間に迎え入れられます。モダンな店内に折り鶴やアンティーク調の家具、ドライフラワー、生花がアクセントに。ハイセンスでお洒落、かつどこか落ち着く空間に、これから運ばれてくるお料理への期待が高まります。
2016年にオープンし、2019年からミシュラン一つ星店となったAccents Table Bourseは、日本人の杉山あゆみオーナーシェフパティシエールとロマン・マイシェフのお店。お店の名前であるAccentsは、それぞれの人が話すときに見せるアクセントの多様性へオマージュとして付けられました。アクセントは、その人の故郷やストーリーを物語るもの。それは料理もしかり。シェフの生まれ故郷やインスピレーション、歩んできた人生、そして材料自身のバックグラウンドや多様性、材料を作った生産者のユニークさ。一つ一つの異なるアクセントが組み合わさっているからこそ、より深みのある唯一無二の料理が出来上がります。シェフのそんな理念に基づいてオープンしたお店は、料理からインテリアまで一つ一つのディテールからシェフのお人柄を感じるとても素敵な場所です。
ランチは3種のコースメニューで、3皿コース(52€)、4皿コース(65€)、6皿コース(100€)があります。3皿コースはフレンチでは一番クラシカルなコース。一般的に、前菜、メイン、デザートの3皿に、前菜の前にアミューズブーシュが含まれます。6皿コースになると、アミューズブーシュ、前菜2皿、メイン2皿、デザート2皿になります。今回いただいたのは3皿コース。初めてお店に伺ったので、3皿でも大満足でした!せっかくだから最大限楽しみたい方、もしくは初回でお料理の虜になってしまったリピーターの方は、4皿や6皿コースにトライしてみてはいかがでしょうか?
それではお待ちかねのお料理について見ていきましょう。メニューはその都度変わりますが、今回私たちオボンパリスタッフがいただいたお料理を見てそのクリエイティビティを感じていただけたらと思います。それぞれのお料理が驚きに満ちていて、そして最後まで食べ進めていくと一つのストリーが出来上がるかのような感動にうっとりしてしまいます。
アミューズブーシュは、ユニークな味で美しくて可愛らしい5種の組み合わせ。例えば、ウスターソースをかけたメレンゲや、日本らしさを感じる魚の骨を使った一品、またブダンの可愛い豚の形のムースなどがありました。アミューズブーシュからオリジナリティがギュッと詰まっていて、これから始まるコース料理に期待が高まります。
この日の前菜は、ライトで爽やかな料理で、趣のある素敵なお皿に載って運ばれてきました。このお皿も、シェフのお二人の手作りだそう!お料理にかける情熱とプロフェッショナリズムを感じます。
一つ目の前菜はセロリのリゾットで、モルトーソーセージ、梨、ウィスキーが合わせられています。真っ白でふわふわの泡で覆われ、ミステリアスで印象的な一品。
もう一つは、マグロ、イワシ、ホタテ、ベルモット、ヤマウズラ(アカアシイワシャコ)の前菜。お皿に乗せられたソースでいただいたり、横に添えられた桃のソースをかけたり、食べ方によって何度も驚きと感動の波が押し寄せる絶品です。
メインは通常、肉料理が一品、魚料理が一品用意されています。今回の肉料理は、雌鹿肉をコロナッタベーコンとチコリで巻き、黒トリュフとコンテチーズを添えた一品。深い香りと旨味が重なり合ったお料理でした。
デザートは、杉山あゆみシェフパティシエールの情熱とオリジナリティが詰まった、特に注目のポイント!
一つ目のデザートは、鳥の巣のような可愛らしいデザートと、卵型のもなかのセット。オリエンタルなインスピレーションが感じられる作品です。鳥の巣のように見える部分は、カダイフと呼ばれるトルコの甘くて細い麺を使ったもの。そこに、バナナ、サツマイモ、ナツメヤシが組み合わされています。なめらかなクリームの層にパリっとした麺がアクセントになって食感も楽しいスイーツです。
もう一品は、真珠のような崇高な美しさ。飴細工の外側の層を割ると、中にはリンゴ、ショウガ、マルメロ、そして牛乳を煮詰めたソースが入ったもう一つのパールが組み合わされています。さっぱりとしたクリームにリンゴの甘酸っぱさ、そしてショウガのすっきりした風味が堪らない一品。牛乳のソースを途中で割ると、また風味が変わって2段階で楽しめます。
最後は、コーヒーとミニャルディーズ。ミニャルディーズとは、小さい一口サイズのものが一般的ですが、Accentsのものは大きなシフォンケーキ!これがこのお店のシグネチャーなんだそう。ふわっふわのシフォンケーキは大きいけれど、軽くて甘さも控えめでペロっと食べきってしまいます。
いかがでしたか?最後に、ワイン好きの方へ「accords mets et vins」のご紹介です。これは、食事の各段階で1杯のワインが含まれるワインペアリングで、ソムリエが料理に合うワインをチョイスしてくれます。フランス料理はワインとの組み合わせを楽しむのも醍醐味の一つ。せっかくだったら、最高のお料理をワインでより一層引き立ててみてはいかがでしょうか?
著者・撮影: Yuka
ACCENTS Table Bourse
住所: 24 rue Feydeau, 75002 Paris
営業時間: 火-土 12:00–14:00, 19:00–22:00
アクセス: メトロ3番線 Bourse駅