美しい景観から「アルプスの真珠」と呼ばれるアヌシー。街並の美しさはもちろんですが、冬にはスキーやスノーボード、夏には湖で水浴びと、一年を通して自然を満喫できる場所でもあります。
LE PALAIS DE L'ÎLE
川の中州に見えるのはLe Palais de l'Île(パレ・ドゥ・リル) 。12世紀に建てられたもので、もともとはお城でしたが、後に牢獄や裁判所として使われたそうです。1900年には国より文化財に与えられる称号であるMonument historique(歴史的記念物)に指定され、現在は地元の歴史博物館となっています。また、運河や川の多いことからアヌシーは「フランスのヴェニス」とも呼ばれており、写真のThiou(ティウー)川は歴史ある街並の真ん中を流れています。
LE PÂQUIER
アヌシー市庁舎に隣接する、7ヘクタール強の広さを誇るLE PÂQUIER(パキエ)公園。湖を見渡せる素晴らしい場所で、夏は多くの人で賑わいます。たくさんのかもめが出迎えてくれました。
街の住人になったつもりで湖のほとりを散歩してみてはいかがでしょうか。この日はあいにくの天気でしたが、晴れの日は素晴らしい景色を眺めることができますよ。
PONT DES AMOURS
先ほどご紹介したパキエ公園とJardin de l'Europe(ヨーロッパ庭園)を結ぶPont des Amours(ポン・デ・ザムール)。「愛の橋」という意味で、この橋の上でキスをした恋人たちは永遠に幸せになれると言われているそうです。ロマンチックだと思いませんか?ティウー川がアヌシー湖に流れ出る場所に位置しており、広大な湖が目前に広がっています。
湖の入り江からすぐのPâquier(パキエ)通りにあるこの豪華な建物は、もともとはこの地方一帯を支配していた辺境伯貴族、サヴォイア家の住居でしたが、のちにサヴォイア銀行の本部となります。1860年、サヴォイア領がフランスに併合される際に、サヴォイア家は銀行から資金融資を受ける権利を得たらしいのですが、その権利はいまだに存続しているそうです・・。
ANCIEN HOTEL DE VILLE
旧市街の散策中に見つけることのできるアヌシーの旧市庁舎。Notre-Dame de Liesse(ノートルダム・ドゥ・リエス)教会のすぐ隣にあります。可愛らしい建物も美しい手すりの装飾も18世紀につくられたもので、歴史を感じることができます。
PORTE SAINTE-CLAIRE
街灯が趣深く照らし出す広場の奥にSainte-Claire(サント・クレール)門が見えます。窓の装飾が美しい緑色の建物は1794年に建築家のシャルル・ガロが古い建物を改装したもので、Maison Gallo(メゾン・ガロ)と呼ばれています。
パレ・ドゥ・リルの後ろ姿。格子のはめられた窓に、かつて刑務所として使われていた痕跡を見ることができます。
LE CHATEAU D'ANNECY
この地域の歴史を知るアヌシー城。12世紀から完成までに4世紀を要したそうで、13世紀からはジュネーブ伯の住居として使われていました。度重なる火災に大きな損傷を受けましたが、1953年に市が購入、修復をし、現在は博物館として一般公開されています。 お城の塔であるTour de la Reine(トゥール・ドゥ・ラ・レンヌ)では、12世紀当時の建築を見ることができます。
翌朝は天候にも恵まれ、太陽がパステルカラーの可愛らしい街並を優しく照らしていました。
Jean-Jacques Rousseau(ジャン=ジャック・ルソー)通りで見かけた左右対称が美しい建物。
天候に恵まれただけでなく、嬉しいことにこの日はブロカント(古道具市)が開催されており、旅の素敵な思い出を作ることができました。
パリからアヌシーへのアクセス
-電車 : パリのGare de Lyon駅より直通のTGVでおよそ3時間半。または、Gare de Lyon駅からTGVでLyon Part-Dieu駅まで行き(2時間弱)、乗り換えてAnnecyまでTERで2時間程度。
-飛行機 : パリからジュネーブ空港までLCC(60ユーロ前後)で1時間半、そこから バス flixbus(事前予約で5ユーロ)で50分。
-バス : flixbusでAnnecyまで直行便あり、8時間強。
文、写真:Jessy Cornu
訳 : Rei Nishiyama