DINAN

中世の雰囲気の残る街ディナン

DINAN 

丘の上の城砦に囲まれた小さな都市ディナン。ケルト文化の混じったフランスのブルターニュ地方に位置します。ディズニーの物語の中に入ったかのようなこの町は、本当にこんな素敵な場所が存在するのかと、私たちを不思議な気分にさせてくれます。

 

ジュルジュアル通り(Rue du Jerzual)

そしてここから丘の上へとつなぐ道が、ディナンの中でも最も有名なジュルジュアル通り(Rue du Jerzual)です。15世紀も遡る木造づくりの家々を見ながら丘の上の中心部まで歩きます。ここがディナンのベストスポットと言ってもいいでしょう。

 

メゾン・ア・ポルシュ (maison à porche) 

旧市街に少なくとも115はあると言われるこのディナンの家の中には、メゾン・ア・ポルシュ (maison à porche)と呼ばれる玄関ポーチを持っているのが特徴的で、雨天であっても軒下に商品を並べて商売ができるように造られたからなんだとか。これも他の地域ではあまり見られないものですので是非チェックしてくださいね。

 

ラ・フォンテン・ドゥ・ジュルジュアル (La Fontaine du Jerzual)

そんなジュルジュアル通りにある一際目立つレストランがラ・フォンテン・ドゥ・ジュルジュアル (La Fontaine du Jerzual)。ブルターニュ地方で有名なガレットやクレープを頂くことができます。

 

店内は青色と開放的なガラス窓が特徴的な木造作りで、これもまたブルターニュ地方独特の空間を感じることのできるレストランです。晴れの日には外側のテラス席もおススメです。

 

実はガレットはクレープよりも歴史が古く、ここブルターニュ地方発祥のものです。ブルターニュ地方では海鮮がよく取れますが、雨や湿気が多く小麦粉の栽培には適していなかったためそば粉を使った料理が発展してきました。

  

LA RUE DES GRANDS JARDINS

ズッキーニのグリル焼きを包んだジェノベーゼペーストのガレットに、カットトマト、オリーブオイルのアイスクリームをトッピング。熱々で少しずつ溶けるカマンベールチーズのアイスが溶けるのを食べるのが最高です。バジリコソースのかかった塩漬けハムとモッツァレラチーズのサラダもたっぷりあって、ヘルシーさもある一品です。

 

バスティオン・メルクール城壁 (Le Bastion Mercoeur)

お腹をいっぱいにした後は、丘の上の街の散策を続けます。まずは、3kmにわたる城壁の上の景色を眺めて、綺麗な空気を吸ってリフレッシュ。

パリも同じく、ほとんどの街では近代化に伴い城壁は取り壊されてしまったため、ディナンのようにほぼ完全に残っているところはフランスでもほとんどありません。この城壁からはディナンの街も上から見ることができ、古い屋根の家並みとユニークな形が心を惹きつけます。

 

これはブルターニュに限ったものではありませんが、ディナンにはとっても可愛い看板がそれぞれのお店にかかっています。それぞれのユニークさを感じられるところがディナンの旅の醍醐味。坂道はありますが、たくさん歩いて色んな街の顔を発見してくださいね。

  

ラ・ベル・イロワーズ (La belle-iloise)

創業者の一族が未だに伝統製法を受け継いでいる老舗のコンセルヴリ (conserverie:缶詰工場)、ラ・ベル・イロワーズ。伝統的にイワシ漁が盛んなブルターニュ南部のもルビアン圏(Morbihan)のキブロン(Quiberon)という街に本拠があり、ディナンでは街の丘の上の中心部で見つけることができます。缶詰で日持ちもするので、お土産にぴったりです。

  

ディナンから北のサン・マロに流れる75mの川幅のランス川が市内を流れており、丘の上からは川を見下ろす港の景色を眺めることができます。

サンマロ(Saint-Malo)の河口に位置するこの港は、かつて中世に貿易で栄えていた港で、ディナンの商人や職人にとって外の世界とディナンをつなぐ大切な場所でした。

 

O'BON PARIS' NOTE

ディナンは小さな町なので半日もあれば十分に回ることができます。石畳の坂道が多いので、歩きやすい靴で行くことをオススメします。アクセスはドル・ド・ブルターニュ (Dol De-Bretagne)から電車で25分(2時間に1本)か、レンヌからバスで1時間20分(2時間に1本ほど)。

 


 原文、撮影 : Leona Fujii