DALÍ PARIS : モンマルトルのダリ美術館


 

DALÍ  PARIS

住所 : 11 Rue Poulbot, 75018 Paris

アクセス : Abbesses駅 (メトロ12番線), Anvers駅 (メトロ2番線)

営業時間 : 毎日 10:00-18:30

入場料 : 一般12€ / 8-26歳もしくは学生 9€ / 8歳未満無料 オーディオガイド 3€ (英語、フランス語を含む8か国語。日本語あり。)

 

たくさんの画家が集まるモンマルトルのテルトル広場のすぐ近くにあるDALÍ PARIS。スペインの有名なシュルレアリスムの画家、サルヴァドール・ダリの作品のプライベートコレクションを展示する美術館です。1991年よりEspace Dalíとして存在していましたが、2018年4月13日にリニューアルオープンしました。

 

入ってすぐのスペース。ダリの生涯が紹介されています。絵画だけでなく彫刻、映像作品と多岐に渡る才能を発揮したダリ。作品自体の価値はもちろんですが、常に上向きにセットされた髭やメディアの前での奇天烈な振る舞いの醸し出すカリスマ性も相まって、今でも多くの人を魅了し続けています。

 

ELÉPHANT SPATIAL

宇宙象と題された彫刻作品。この足の長い象は、1946年に描かれたダリの代表作「聖アントワーヌの誘惑」の中に初めて登場して以来、繰り返しダリの作品の中に現れている彼の代表的なモチーフのひとつです。無重力状態の宇宙では体重を支える必要がない、という考えのもとに創られたこの象は、ずっしりした胴体と昆虫のようなか細い足が、力強さと脆さのコントラストを際立たせています。

 

PROFIL DU TEMPS

ニューヨーク近代美術館に収蔵されている、有名な「記憶の固執」に出てくるのと同じ、柔らかい時計がモチーフになった彫刻。初めてのインスピレーションは溶けたカマンベールチーズだったそうで、柔らかい時計は、本来時間の持つ厳格さとの対比を表しているとのこと。

 

LE PAPILLON FANTASTIQUE OU ARLEQUIN

じっと見ていると複数の光景が見えてくるようなだまし絵も多く描いたダリ。こちらは一見昆虫の絵ですが、円筒に目をやるとそこにはピエロが映っています。このピエロは自分自身を表現したとされており、たしかに彼の特徴である髭も見て取ることができます。

 

TÉLÉPHONE DE HOMARD

本物の電話にロブスターを合体したオブジェ。イギリス人のシュルレアリスム芸術作品のコレクターであったエドワード・ジェームズのためにつくられたもので、実際に使用することができたそう。

 

CANAPÉ LÈVRES DE MAE WEST

Mae Westというアメリカの女優の顔を家具で表現したダリの代表的な作品のひとつ。

 

VISION DE L’ANGE

神、人間、天使という、宗教芸術では繰り返し表現されているモチーフをダリ独特の方法で解釈した作品。

 

L’ESCARGOT ET L’ANGE

ジークムント・フロイトを精神的な師とみなしていたダリ。フロイトの家を訪ねた際、自転車に張り付いていたカタツムリにインスピレーションを受けてできたのがこの作品。カタツムリを人の頭、フロイトの頭に見立てているのだそう。

 

O'BON PARIS' NOTE

規模は大きくありませんが、私たちの想像力を超えるユニークな作品が集まっていて、観る人を退屈させないダリ美術館。モンマルトルへ来たら一度訪れてみてはどうでしょうか?なお、入口にはロッカーがあるので、コートやバッグなどを預けて観覧に集中することができますよ。

 


文、写真 : Yuna Lee

訳 : Rei Nishiyama