フランスでは家族や友人とさっとピクニックに出かけるのが習慣の一つ。特に春夏の爽やかな気候になってくると、公園にはピクニックを楽しむフランス人たちで賑わいを見せます。日本でピクニックと聞くと、お弁当を前日から準備して、シートやおしぼり、クーラーボックスなどなどとても大掛かりなイベントに思われがちですが、フランスではもっとカジュアルに大切な人たちとの時間を共にするのが目的です。今回はそんなフレンチピクニックに欠かせないものと、パリ市内のおすすめピクニックスポットをご紹介します。
フランスのピクニックには、お母さんの手間ひまかけたお弁当は存在しません。それよりも、もっともっとシンプルな食材を持ち寄るのが一般的。お皿やカトラリーが無くても食べれるものがほとんどです。ではパリジャン達のピクニックに欠かせない食べ物&飲み物を見ていきましょう。
メインディッシュには、フランスのガストロノミーである生ハム、ソーセージが必須。他にもツナ缶や南仏の名物のバスク風ミートも人気です。そして、これらをお好みでバゲットに挟んでオリジナルのサンドウィッチに仕上げます。
ピクニックでもやっぱり前菜は欠かせないというグルメなフランス人には、ゆで卵が人気。前日に卵を茹でて、冷蔵庫に準備しておくのだそう。このとてもシンプルな前菜に合わせるのはマヨネーズが定番。
やっぱりフランス人たるもの、チーズは欠かせないマストアイテム。ただし、近年ではフランスも猛暑の影響があるので、カマンベールやブリーよりもチェダーなどのハードタイプのほうがおすすめです。
どんなときでも食後のデザートは欠かさないのがフランス流。ピクニックではイチゴとスプレータイプのホイップクリーム、もしくは潔くフルーツだけというシンプルなデザートが人気。他にもチョコレートやチップス、ジャムとパンなども食後にちょっとつまむのにぴったりです。
ピクニックにももちろんワインが欠かせません。春夏なので冷えたロゼワインなどが人気です。パリ市内で飲むのであれば、家の冷蔵庫から出して、30分ほどでピクニックの待ち合わせに着くので、ちょうどワインも適温になりおすすめです。この他にも、イタリア風に、ポルトワインを半分に切ったメロンに入れて、メロンの果肉と混ぜながらいただくのも人気なのだとか。他にもソフトドリンクやビールもぴったり。
一般的にはフランス人の間では静かな公園や川沿いが人気です。それではカジュアルに、シックに楽しめるスポットを見ていきましょう。
もともとは1612年にマリー・ド・メディシスによって作られたリュクサンブール公園。プライベートな庭園として作られただけあって、エレガントで優雅な雰囲気が特徴的です。春夏は色とりどりの花が咲き、フォトジェニックスポットとしても人気です。園内の芝生に寝っ転がって過ごすのがパリジャン達のお気に入り。園内には立ち入り禁止の芝生ゾーンもあるのでピクニックの場所選びには注意しましょう。
アクセス: RER B線 Luxembourg駅
噴水の前で椅子に座って過ごすちょっぴり豪華なピクニックがお好みならチュイルリー公園がおすすめ。パリの中心のシティ感もあるフレンチエレガンスな雰囲気を楽しめる場所です。ルーブル美術館、エッフェル塔、オルセー美術館、シャンゼリゼ通りにも近いので観光の合間の休憩にピクニックを楽しむにも便利です。
アクセス: メトロ1番線Tuileries駅
パリ15区にある熱気球がトレードマークのアンドレ・シトロエン公園。公園中央の熱気球には乗ることもでき、パリの景色を高い場所から楽しむこともできます。ただし、休日はバルーンに乗るための行列ができるので、朝の時間帯がおすすめ。広々とした芝生で、子どもたちが走り回ったり、大人は寝転がったりと家族連れにぴったりのピクニックスポットです。
アクセス: メトロ8番線Balard駅 / 10番線Javel - André Citroën駅
ホットなお店やカフェが集まるマレ地区にある、ヴォージュ広場。ルイ13世の時代にできたこの広場はパリで最も古い広場の一つですが、現在でも晴れた日には多くのパリジャン達が集う憩いの場。周りにお店も多いので、広場周辺でさっと食べ物や飲み物を買ってピクニックすることもできる便利な場所です。
アクセス: メトロ1番線Saint-Paul駅 / 8番線Chemin Vert駅
せっかくパリに居るならパリらしくエッフェル塔を眺めながらピクニックをしたいもの。そんな方にはシャン・ド・マルス公園がぴったり。鉄のマダムの足元でのんびりとパリジャンなピクニックを過ごすことができます。
アクセス: メトロ8番線 Ecole Militaire駅 / 9番線 Alma-Marceau駅 / 10番線 La Motte Picquet Grenelle駅
パリの街をながれるセーヌ川。映画の舞台にもよく選ばれるロマンティックなこの場所はパリジャン達のお気に入りスポット。夏にはパリ・プラージュで沢山のパラソルとビーチチェアが置かれるので快適にピクニックをすることができます。ただしパリジャンになりきるのであればビーチチェアには座らず、石畳や芝生でピクニックを楽しむのがおすすめ。セーヌ川沿いは特に水面がキラキラ輝く夕日の時間帯がベストです。
食べ物や飲み物の他にもテーブルクロスなど何か敷くものや、ゴミ袋は用意するのがベター。マヨネーズやチーズなど熱で腐りやすいものには注意しましょう。
著者 Yuka
撮影 Youra Choi