ガウディ建築の中でも最も有名なカサ・ミラとカサ・バトリョの近くにあるバルセロナのタパスレストランLa Pepita。バルセロナで朝ごはんに人気のお肉のサンドイッチであるPepitoから名付けられた店名の通りいつもバルセロナの人々から愛されるレストランです。
お店の中に入るとフレンドリーで明るい空気で友達や家族と来るのにピッタリです。La pepitaに来た人々によって壁にも手書きでたくさんのメッセージが書かれています。スタッフもとても親切で陽気な人が多く、壁に残されたメッセージや彼らのサービスからこのレストランの哲学やサービス精神の高さが伺えます。バーテーブルも用意されており、カジュアルで落ち着く雰囲気です。
タパスは今では世界中で人気の食文化です。少量で様々な種類のメニューを試すことができ、日本人にとっても嬉しいスタイル。バルセロナはもちろんスペイン中にはどこにでもたくさんのタパスバーが存在します。しかし、La pepitaのタパスは少し違い、伝統的なタパスレシピというよりも、世界中の食材を使って様々なオリジナルレシピを作っています。他では見つけることができないタパスメニューをここでは試せます。
ワインの種類は様々ありますが、La pepitaではジンやトニックは最も注文されるドリンクです。
La Pepitaの特製パンに大きなアンチョビが乗せられたメニュー。個数毎に注文することができます。トーストにキャラメルミルクがかかっています。味を想像するのは中々難しいかもしれませんが、一口食べてみると、塩味と甘さのバランスがとてもアンチョビとあっていて驚く味です。
燻製ナスのフライにヤギのチーズと甘い蜂蜜が下に添えられたこの一品。ヤギのチーズは日本で見かけることはあまりありませんが、もし口に合わなければ揚げ物と蜂蜜とリンゴだけでも十分に美味しく頂くことができます。ヤギのチーズの匂いを新鮮なリンゴと甘い蜂蜜がバランスを取ってくれます。
La Pepitaに来れば必ず試してみてほしいのがこちらの一品。シーバスのマリネはとても古典的な方法で調理されており、12時間もの時間をかえて酢漬けされたあと、さらに味が落ち着くように12時間瓶の外で保管されます。焼かれてはいないのですが、海鮮独特の匂いは全くなく、苺やオリーブオイル、トウガラシ科のピキーリョととても良く合います。口の中で一瞬で溶けてしまう不思議な感覚で、手をかけて作られただけある、とても贅沢な味わいです。
グリルされたホタテ貝もとても柔らかい食感です。ホタテ貝の下には今スーパーフードとして注目されている芽キャベツが添えられており、噛み応えのある食感を足してくれています。ソースはキムチクリームで、少しスパイシーな味わいが癖になります。
スペインの中でも最も有名なタパスメニューのイカリングの唐揚げ。揚げ物は油がしつこいことがしばしばありますが、Le Pepitaのものは特別です。外側はカリカリとしていて、中は非常に柔らかく、油っこさや海鮮臭さも感じません。Le PepitaのオーナーであるSofiaはキムチのフレッシュな味がとても好きで、キムチマヨネーズをこのイカリングにかけることを生み出しました。キムチマヨネーズはマヨネーズの濃厚な甘さとキムチのスパイシーな刺激を同時に実現できる絶品の味です。
スペインの生ハムを食べたことがない人はいないはず。イベリコ豚の生ハムは最上級のものだと考えられていますが、Le Pepitaでは、イベリコ豚の生ハムに包まれたコロッケを試すことができます。コロッケはマイルドで柔らかく、外側はとてもクリスピーです。
これまでに紹介してきたメニューのほかにも試してもらいたいタパスがたくさんあります。ベジタリアンのランチメニューなども用意されており、少しずつで選べるタパスは誰と来ても楽しめるとっておきの食文化です。シーバスサラダやLa Pepitaのアンチョビを除けば他のメニューはすべて小さなサイズで出てきます。半量で頼めるかどうかを聞くこともできます。価格はリーズナブルなので、スペイン一番ともいえるタパスを試しに是非La Pepitaへ足を運んでみてください。
原文・撮影: Yuna Lee
著者 : Leona Fujii
住所 : Carrer de Còrsega, 343, 08037 Barcelona, Spain
アクセス : メトロ L3, L5番線 Diagonal駅 / メトロL4, L5番線 Verdaguer駅
営業時間 : レストラン - 月-日 13:00-16:00 / 19:30-00:00, バー - 平日 10:00-25:00 / 週末 12:00-25:00