LE JARDIN RETROUVÉ

オスマン建築立ち並ぶ、なんともパリらしい2区。大きな門をくぐり、細い通路を抜けると秘密の中庭が。ここにあるのが今回ご紹介するLE JQRDIN RETROUVÉという秘密のパヒュームリー。この香水店は1975年に誕生し、創設者のYuri Gutsatz、そしてその子孫へと受け継がれている家族のぬくもりのあるお店。ここでは、現在おしゃれな人々の間で人気沸騰中の「香水のオートクチュール」とよばれるニッチフレグランス。実はこのYuri Gutsatzが生みの親とも言われています。

Le Jardin Retrouvéはただの香水ショップではなく、センシュアルな感情の旅を体験できる場所。お店の奥にある美しい香りの体感スペースでは、香りにまつわるそれぞれの記憶を呼び起こします。神話に登場する「エデンの園」のような、自分だけの「秘密の庭園」を見つけてみましょう。他人とは違う香りを繕いたい方や、現代アートが好きな方にはピッタリです。

ニッチフレグランス

多くの人が使っている大規模香水ブランドと違い、ニッチフレグランスは何人かの優れた調香士がプライドをかけて作る一つの作品。LE JARDIN RETROUVÉのニッチフレグランスは最高品質の自然由来の原材料を使い、パレットの上で色を混ぜていくように自由に自分だけのオリジナルの香りを作っています。

現在は、Yuriの息子とその妻によって彼の伝統を守りつつ、新たな風を吹き込んでいます。最高級の製品を作るため、昔からの信頼する取引先から材料を直接取り入れているそう。大きな香水ブランドとは取引せず、小さな庭でひっそりと良質な香りを作り続けるのがこだわりです。

静かで不思議な香りエクスペリエンス

先ほどお話しした通り、Le Jardin Retrouvéはただの香水ショップではなく、センシュアルな感情の旅を体験できる場所。クリエイティブな香水ワークショップに、映像、写真、デコレーション、デザイン、ポエム、音楽など様々なアートが合体した、全く新しいパフュームエクスペリエンスを体験することができます。このエクスペリエンスは、創設者の義理の娘にあたるClaraさんが魔法の部屋を案内してくれます。マルチメディアアーティストで、ライターでもある明るい彼女が温かな笑顔で迎えてくれます。

LE JARDIN RETROUVÉの家族の歴史

エクスペリエンスは温かな家族の歴史から始まります。2016年に創設者の息子Michel Gutsatzとその妻Clara Federによって、二人の才能、センス、芸術への愛を組み合わせながらこのLE JARDIN RETROUVÉのユニークなお店が作られました。しかし、ブランドの歴史はもっと前の20世紀初頭の家族の歴史に遡ります。ブランドの創立者であるYuri Gutsatzは1914年にロシアのサンクトペテルブルグで生まれました。1930年代には詩人になるのを夢見てフランスに移り、その後は香りという形で彼独自のポエムを創り上げていきました。彼はフランスの香水の都、南仏グラースで香水について学び、その優れた才能から香水界の歴史に名を刻む人々とともに働き、どっぷりと香水の魅力へと惹かれていきました。

原材料にこだわり、インドの材料を直接輸入したりしながらLE JARDIN RETROUVÉのトレードマークとも言える香りの完成、そして世界初のニッチフレグランスを完成させました。科学者であった彼の父もモダンフレグランスのための研究をしていたそう。家族の繋がりを感じながら、Yuriは香りのアートを追求していきました。そして、その繋がりはまた次の世代へと彼の息子とその妻によって引き継がれ、現在のお店がオープンしています。

感覚の旅への道

お店に入ると、日本の和紙を使ったユニークなデコレーションに迎え入れられます。雲のような、形のない香りのような、アーティスティックな展示が目を引きます。

ラボラトリー

和紙の道を抜けていくと、調香師の仕事場である研究所ブースにたどり着きます。ここでは、数種類の香りを嗅ぎ、何の香りかを当てるゲームをします。こだわって厳選した最高品質の材料から取れる香りは、大量生産の香水では感じられないほどフレッシュで香り豊か。ここでは他にも香水の製造方法や秘密の材料などを聞くことができます。

エクスペリエンスルーム

研究所のお次は、お待ちかねエクスペリエンスルーム。古いクローゼットの扉を開けて、奥へ進んでいくとそこにはエクスペリエンスルームが広がっています。狭い通路を通って、香りの科学を学び、お次は不思議な世界へと、なんだか不思議の国のアリスのお話のようなワクワクが続きます。

現代アート展のようなキラキラ輝く魔法のエクスペリエンスルームは、LE JARDIN RETROUVÉの11種類のフレグランスを、五感すべてを使って感じていく場所。一つ一つのフレグランスが、世界中のどこかのガーデンにちなんで映像や音声が付けられています。様々な感覚刺激が、それぞれのガーデンへの入口となっています。感情や記憶に直結した香りだからこその新しいアートを体験することができます。爽やかなレモン、バジル、ベルガモットは夏の青々と緑が茂るサンクトペテルブルグのサマーガーデンへ、華々しいジャスミン、イランイラン、ラズベリーの豪華な香りは17世紀のヴェルサイユ宮殿の庭へ、と体験するものを香りで旅させてくれます。

旅の終わりには、飲み物片手にエクスペリエンスをゆったり振り返ります。友人と来たのなら、それぞれのガーデンの思い出や好きだった香りなどを話してみるのも楽しいもの。新たな発見があるかもしれません。ここでは11のフレグランスの中で好きな香りを自分の肌の上で試すこともできます。

フレグランス商品

LE JARDIN RETROUVÉでは香水だけでなく、美しい陶器に入ったキャンドルもあります。エクスペリエンスで体験した香りを家でゆっくりリラックスタイムに使うのにぴったり。

他にもグラースでハンドメイドされた石鹸やスクラブ、シグネチャーであるRose Trocadéroの香りのボディミルクなど、ボディケア商品もおすすめ。こちらは99%自然由来ですべての肌タイプに使用できます。

すべての商品がこだわりのつまった美しいパッケージで包装されているので、プレゼントにもぴったり。また、環境に配慮した再利用可能なパッケージも嬉しいポイントです。使いおわたキャンドルの器は花瓶や小物入れにしても素敵です。香水瓶は使い終わった後にリフィルできます。

O'bon Paris' tip

LE JARDIN RETROUVÉで体験する香りのエクスペリエンスは、他では見られないオリジナル。香りを通したセンシュアルな旅はフランス旅行の最高の思い出になること間違いなしです。エクスペリエンスは英語、フランス語、中国語が選べます。オボンパリクーポンで20%OFFで楽しみましょう!!

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著者・撮影 Yuka