活気に満ちたパリの芸術地区の中心、象徴的なポンピドゥー センターとアール エ メティエの間に位置し、写真とビストロノミーの世界を融合させた隠れた宝石ともいうべきアドレス、L'INAPERÇU 。先見の明のあるオーナー、Christine YEによって2023年に設立されたこのユニークな施設は、すぐに芸術愛好家や食通に人気の、知る人ぞ知る今ホットなスポットの一つとなりました。
フォトブックは、思慮深く芸術的な意図を持って作成されると、単なる写真としての機能を超え、表現力豊かで視覚的に説得力のある芸術作品にまで高めることができます。この変化は、写真集が厳選され、美的に配置された画像のコレクションとなり、一貫した物語、テーマ、または感情を示すときに起こります。このような写真集は、伝統的な芸術作品と同じように、感情を呼び起こし、思考を刺激し、芸術的なビジョンを伝えます。
L'INAPERÇU のフォトブックショップは、写真芸術の真の祭典ともいうべき場所。一歩足を踏み入れると、従来の本棚が存在せず、厳選された限定版の写真集が美術展のように美しく陳列されています。奥のコーナーには、キオスク型の特別展コーナーや、窓際にはブキニストのスタンドに似たブックケースが飾られ、芸術的なセンスを感じます。
「写真集は芸術作品と同じである」というChristine YEの深い信念は、この書店がさまざまなテーマに沿って厳選されていることからも伝わってきます。現在、有名な写真評論家ヴァレリー・ベリンが「女性と写真」というタイトルでセレクトした約50冊の本が本棚に並んでいます。このテーマ別にアプローチする企画展は独特のタッチを加え、写真世界の多様な側面を見せてくれます。
特に、L'INAPERÇU は現代の作品だけでなく、熱心なコレクターから入手した絶版本や希少本のコレクションも揃っています。さらに、中国の結婚式を描いたタバコ箱サイズの魅惑的な本『死が二人を分かつまで』のような実験的な作品もあり、多様な作品に目を向けられているのがわかります。
L'INAPERÇU には、写真界の影響力のある伝説的な写真家、クリストファー・アンダーソンがコレクションの中で自分の本を見つけた、このお店のプレオープンの忘れられない思い出も。感動して「10年ぶりに実物を見ました！」と話していました。このような感動的な瞬間は、写真家、アーティスト、愛好家が同様にフォトブックという芸術形式と真のつながりを体験できることを照明しています。
魅力的な書店に隣接するレストランでは、絶品料理を楽しむことができます。インテリアはカメラの豊かな歴史に敬意を表し、写真にまつわるアイテムが飾られています。料理もこだわりと情熱が詰まっています。オーナーのChristine YE はバランスの取れた食事を維持することに重点を置き、健康的なライフスタイルと味を両立させるメニューになっています。新鮮な季節の野菜を巧みに使ったモダンなフランス料理を楽しめます。面白いのが、メニューの名前がどれも野菜の名前になっていること。しかし、全てがベジタリアンなのではなく、肉や魚介類もセットになっているのでご安心を。
シンプルさとエレガンスの本質をついた一品。カラフルなトマト、スモーキーなモッツァレラ、ローストしたピスタチオ。そこにラズベリー、シェリー、セージを組み合わせたビネグレットソースが絶妙にマッチした爽やかな前菜です。
スモークした鴨胸肉に、さわやかなグリーンピースのクリームとピリッとした赤キャベツのピクルスを添えた前菜。豊かなエンドウ豆の風味と、キャベツのシャキシャキ食感の楽しい組み合わせがやみつきに。
魅惑的な味わいのシンフォニーを奏でるメインの一品。旨味がギュッと詰まったアンコウのローストが柔らかいズッキーニと鮮やかなキオッジャビーツを引き立てています。柚子風味のソースの爽やかさがまた良いアクセントに。
お次は風味と食感のおいしい組み合わせ。柔らかいタコが、フェンネルのコンフィ、バジルペースト、ピキージョ、パスティスフォームと調和し、地中海風の味わいに。
メインの後はデザートも欠かせない。甘酸っぱいラズベリーで飾られたパブロバは、クリーミーなマスカルポーネのムースと完璧に調和しています。バジル入りのレッドフルーツのソースが爽やかなアクセントに。
抹茶のフォンダンは、とても濃厚な抹茶の風味が特徴的。そこに香ばしいピーカンナッツとペッパーの効いたチョコレートソースが加えられ、最高の相性。スプーン一杯ごとに、楽しい味わいのシンフォニーが待っています。
飲み物のセレクションもまた印象的で、ソムリエのジェレミー・リプシックと紅茶史家のアルノー・バシュランの協力のもと、慎重に選ばれたオリエンタルティーや自然派ワインが楽しめます。
L'INAPERÇU は、レストランとフォトブック店が見事に融合しただけでなく、楽しいティーサロンとしての一面も。お茶のプロによって厳選された種類豊富なお茶を取り揃えています。繊細なホワイトティーから、鮮やかな緑茶、本場中国のウーロン茶(ブルーティー)、力強いレッドティー、風味豊かなブラックティーまで、紅茶の世界を巡る魅惑的な旅が出来るのはここだけ。ホッと一息つきたいときや、新しいお茶にトライしたい時、L'INAPERÇUのティー サロンに行ってみてはいかがでしょうか。洗練されたお茶の芸術であなたの五感を満たしてくれること間違いなしです。
L'INAPERÇU は、オープン以来、パリのアート界の専門家や愛好家が集まる大切な場所として注目されてきました。創造性と情熱が漂い、訪れる者は五感を刺激され、魅惑的な写真の世界に浸ることができます。フォトブック店とビストロスタイルのレストランが融合し、刺激的で心地よい雰囲気を作り出しています。
L'INAPERÇU はパリの中心部にあり、パリの豊かな文化遺産のを担うアクターの一つです。ここは、単なるレストランと書店ではなく、世界中からの旅行者、写真家、グルメ好きを招く芸術的な天国とも言える場所です。
フランスのビストロノミーの芸術を楽しみながら、アートや写真を楽しむなら、L'INAPERÇUがぴったり。忘れられない体験になること間違いなしです。L'INAPERÇUの創造性、味、思い出の旅に出かけましょう。
撮影: Thuy & Yuka
著者: Jacque
住所: 65 Rue Beaubourg, 75003 Paris
営業時間: 火-土 12:00–22:30, 日 12:30–19:00
アクセス: メトロ11番線 Rambuteau駅 / メトロ3番線 Arts et Métiers駅 / メトロ1番線 Hôtel de ville駅