ABBAYE MONT SAINT MICHEL
住所 : 50170 Mont-Saint-Michel
開放時間 : 5月2日-8月31日 9:00-19:00 / 9月1日-4月30日 9:30-18:00 (1月1日, 5月1日, 12月25日は閉館)
入場料 : 一般 10€ / 18-25歳(EU外出身者) 8€ / 18歳未満 無料 (団体での訪問の場合は除く)
海に浮かぶ修道院、モン・サン・ミッシェル。その神秘的な姿は、ジブリの大名作「天空の城ラピュタ」のモデルになったとも言われています。
パリからモン・サン・ミッシェルへの行き方
1. モンパルナス駅(Gare Montparnasse)からTGVでRennes駅、もしくはDol-de-Bretagne駅まで行き、そこからバスにてモン・サン・ミッシェルまで。また、モンパルナス駅からTERでVilledieu-les-Poêles駅まで行き、そこからバスに乗ることもできます。乗り換えの駅によってかかる時間も異なり、およそ3時間から4時間弱。Rennes駅・Dol-de-Bretagne駅・Villedieu-les-Poêles駅の順に所要時間は長くなります。ただし、所要時間が長くなるにつれてかかる料金も安くなっています。フランス国鉄のサイトよりチケットの検索・予約が可能。行先にMont Saint Michelと入力すると、バスの利用を含めた複数の選択肢を提案してくれます。
2. FlixbusやOuibusからはモン・サン・ミッシェルまでの直通バスが出ています。それぞれ5時間半、4時間半かかりますが、より安い値段で旅行することが可能です。
バスの停車場から島への行き方
1. 徒歩:堤防の開始点から島まで歩いておよそ35分。
2. 無料シャトルバス:le Passeurという無料シャトルバスが運行しており、島までおよそ12分。駐車場、あるいはホテルが集まっている堤防の開始点から5〜10分ごとに無料運行。
3. 自転車:対岸のホテルに宿泊している場合、ホテルによっては自転車を貸出しているところもあるので、自転車で橋を渡っていくという手段もあります。ただし、島内へは自転車を持って入れないため、島へ着いたら自転車はスタンドへ。
停車場から島までのアクセス地図はこちら
修道院の起源は8世紀の伝説にさかのぼります。
708年、モン・サン・ミッシェルを見下ろす丘の上に立つ街、アヴランシュの司教であったオベールの夢に大天使ミカエルが現れ、この島に修道院を建てるように言います。オベール司教はこの夢を2度見ましたが、ただの夢だとして信じずに何もせずにいました。そこで3度目に彼の夢に現れた大天使ミカエルは、指でオベール司教の額に穴をあけます。朝起きると本当に額に穴があったため彼はこのお告げを本物と信じ、島に修道院の建設を始めるのです。
この岩山はモン・トンブ(Mont-Tombe)と呼ばれていましたが、この修道院の建設により、「聖ミカエルの山」という意味のモン・サン・ミッシェルと呼ばれるようになりました。
増築・修復が繰り返されてきた修道院。13世紀には3階建ての塔が二つ追加されたりもしました。ロマネスク様式やゴシック様式、ルネサンス様式などの複数の建築様式を見ることができます。
また、フランス革命時に反体制派を閉じ込める監獄として使用されるようになり、ナポレオン三世が監獄を1863年に閉鎖するまで、海のバスティーユとして人々から恐れられていたそうです。1874年に修道院は歴史的記念物に登録され、革命の混乱等によって荒廃のすすんでいた部分の大規模な修繕が行われて、今の姿を取り戻すに至りました。
修道院の塔の頂上には金の大天使ミカエル像が設置されています。エマニュエル・フレミエ(Emmanuel Frémiet)という彫刻家によって1897年に造られました。天の軍団のリーダーとして語られることの多い大天使ミカエルは、中世の信仰において重要な象徴とされていました。最後の審判の日に人々の魂を秤にかける役割を持つとされているので、ミカエルの像は剣と天秤を携えています。
像は非常に高いところにあるため、詳細まで見ることはできませんが、チケット売り場周辺では、比較的近くに見ることができます。
CLOITRE 回廊
修道院の部屋同士をつなぐクロワートル(Cloître)と呼ばれる回廊は、祈り、そして瞑想の場所としても使われてきました。宗教祭事の行列が行われていた空間でもあります。両脇に並んだ柱が美しい風景を作っています。ここから眺める外の風景も素敵。キッチンや教会、寝室、文書保管室などにつながっています。
RÉFECTOIRE DES MOINES 修道士たちの食堂
静寂を守って食事をとっていた修道士たち。食事中、南の壁の説教壇には聖書を読み聞かせる人がいたのだそう。
GRANDE ROUE 大車輪
1820年に設置された巨大な車輪。修道院が牢獄として使われていたころ、囚人たちの食糧などを下から引き上げるために設置されたのだそうです。
SALLE DITE DES CHEVALIERS 騎士の間
修道士たちが作業や学問をするために使用されていた部屋。当時使われていた資料や作成された原稿は、現在アヴランシュに保管されています。一日中祈りと学問に専念する生活を送っていた修道士たちの姿が目に浮かんでくるようです。
1979年にユネスコの世界文化遺産に登録されている他、イルカや様々な種類の鳥、アザラシなどの生息地として特別保護区域にも指定されているモン・サン・ミッシェル。
修道院だけでなく、周辺の街並みや自然など、見どころがたくさんあるので、可能であれば一泊することをおすすめします。夕暮れ、そして夜の風景はまた格別です。
天気や時間の変化によって絶えず私たちに違った表情を見せてくれるモン・サン・ミッシェル、ぜひ訪れてみてくださいね。
文、写真 : Yuna Lee
訳 : Rei Nishiyama