MOUSTIERS-SAINTE-MARIE : ムスティエ・サント・マリー、フランスの最も美しい村

 

MOUSTIERS-SAINTE-MARIE

「フランスの最も美しい村」に登録されているムスティエ・サント・マリー。プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地域圏の中にあります。海抜760mに位置し、二つの崖に挟まれるように形成されている小さな村で、人口は694人。毎年各地からたくさんの観光客が美しい景色を求めてこの地を訪れます。

 

アクセス

村へのアクセスは、自動車かバスによってのみ可能。自動車で行く場合は、高速道路A51 (Aix en Provence-Sisteron)を通ってManosque(Valensole, Puimoisson, Moustiers 行)出口か、Vinon sur Verdon - Cadarache (Gréoux, Riez, Moustiers (D952) 行)出口を出ます。バスは複数の会社・ルートで運行しているので、詳細はこちらからご覧ください。

 

ヴェルドン自然公園(Parc Naturel Régional du Verdon)の中に位置するムスティエ・サント・マリー。道中はたっぷり生い茂る木々とそびえたつ山に囲まれて、谷底から村を見ることはできません。山に沿って曲がりくねる道を上っていくにつれて、だんだんとその姿を現します。

 

 

険しい渓谷に架けられたレンガの橋をわたって村へ入っていくと、美しい村があなたを出迎えてくれます。村を挟んでいる二つの崖の間を見上げると、大きな星がぶら下がっているのが見えるはず。
この星にはいくつかの伝説があり、有名なのは、十字軍遠征でサラセン人の捕虜になった際、聖母マリアに「故郷に帰れたら村に星をつるす」という願いを捧げたブラカス家の騎士が、無事に帰還してその約束を果たした、という説なのだそうです。幾度となく落下をしてそのたびに架け直されてきた星ですが、現在は頑丈なチェーンにしっかりとつながれています。

 

 

1980年代にAndré Mullerによって発掘されたGrand Segriè墓地の様子などから、この地域に人が住み始めたのはおよそ3万年も前にさかのぼると考えられています。
今日、村は観光と製陶業で栄えており、たくさんの職人たちが村の中心にアトリエを構えています。フランス王宮で使われていたことでも有名なムスティエ焼きは周辺地域でも評判が高く、これらの陶器はお土産としても高い人気を誇っています。人口わずか700人程度の村ながら、アートギャラリーや展示会も豊富に見つけることができます。

 

村の中を散策すると、中世、ロマネスク、バロックなど、様々な時代の建築様式を見ることができます。異なる特徴を持っていますが、それぞれが街並みに溶け込んでうまく調和しています。

 

 

 

川が村の中心を横切っていて、これに沿うようにカフェやレストランが並んでいます。どちらからも美しい川の流れを眺められるので、ランチや午後のお茶にぴったりの素敵な場所です。

 

 

観光と製陶業に加えて、オリーブ栽培も村の大切な産業のひとつ。なのでお土産にオリーブオイルなどを買って帰るのも良いかもしれません。
また、村の住人の多くは近隣の大きな街へ通勤していますが、地域の特産品を販売する地元産業も負けずに賑やか。写真は地元でとれた果物を中心に販売しているかわいらしい売店。

 

 

村のどこを切り取っても絵になるムスティエ・サント・マリーですが、ここから眺めるプロヴァンスの谷や近隣の村の景色もまた素敵。夏の太陽の下、オレンジ色の屋根が鮮やかな緑に映えていました。

 

O'BON PARIS NOTE

ヨーロッパ最大と言われるヴェルドン峡谷(Gorges de Verdon)や、温泉の街として知られるグレウ・レ・バン(Gréoux-les-bains)も近いので、併せて訪問してみてはいかがでしょうか。また、6月下旬から8月上旬にかけては、近隣のヴァレンソール高原で素晴らしいラベンダー畑を見ることができますよ。これらについては関連記事からご覧くださいませ。

 


文、写真 : Pierre Ieong 

訳 : Rei Nishiyama