パリファッションウィーク2020

ファッションショーからプレスデーまでファッションウィークのすべて

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

パリのファッションウィークは、ロンドン、ミラノ、ニューヨークと共に、世界4大ファッションウィークの一つ。ファッションウィークは、ニューヨークから始まり、ロンドン、ミラノ、そしてパリという流れ。ファッションウィークの歴史は、18世紀初頭にさかのぼります。最初はファッションショーといえば、新しいコレクションの製品を購入する顧客のために用意されたものでした。しかし、19世紀の初めからオートクチュールの職人であったイギリス人デザイナー、Charles Frederick Wortは複数のスタイルを同時に公開し、そこからファッションショーはメディアそして顧客に見せるためのイベントとなりました。  

 

パリファッションウィーク2020SS

各国の王室メンバーなど影響力のある顧客のために彼は、多くの人々に認められ、パリで自身ののオートクチュール店をオープンしました。当時の高級ファッションは富裕層だけのためのものでした。幸いにも、今年O’bon Parisチームはリッツパリで開催されるファッションショーに招待され、直接ファッションショーを見ることができました。また、フランスのブランドであるカルティエ、ロンシャン、マージュのショールームとプレスデーに参加することもでき、今回のファッションウィークがどのようなものかをリポートします。

 

パリファッションウィーク2020SS ロンシャン

パリファッションウィーク-ショールーム&プレスデー

ファッションウィーク期間には、多くのブランドのショールームとプレスデーのイベントを見ることができます。ショールームとプレスデーに来場する人はほとんどが世界中からくるVIP顧客、バイヤー、メディア広報担当者、ブロガー、そしてデパートの代表など。  

 

パリファッションウィーク2020SS カルティエ

カルティエ, CARTIER 

カルティエのプレスデーはヴィンテージな雰囲気のバーで開催されました。回転ドアを通って入場したら1847年にルイ・フランソワ・カルティエが自身のブランドを設立した当時にタイムスリップしたかのような雰囲気を感じることができます。 

 

パリファッションウィーク2020SS カルティエ

「L'odyséede Cartier」カルティエの長い旅という短い断片映像を通じてどのようにカルティエが独自の魅力を持ったジュエリーブランドとなったのかを見ることができました。また、カルティエの象徴であるパンダダイヤモンド製品の誕生過程やインスピレーションに触れることができました。  

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

カルティエの150年の歴史が示されている製品が展示され、カルティエだけの過去、現在、未来までの創造性を垣間見ることができます。 

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

ロンシャン, LONGCHAMP

世界的に有名なフランスのブランド、ロンシャン。ロンシャンはブランドを代表するシグネチャーとも言えるバッグ、ル・プリアージュで人気となったブランド。ル・プリアージュは、半世紀の間、楽に折りたたみできる女性用バックとして多くの人に愛され、現在でもロンシャンの定番です。 

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

この春夏は様々なバージョンのル・プリアージュバッグを見ることができました。様々なの形状、柄、色、素材に多様化されたル・プリアージュ・コレクション。写真のミニ・プリアージュはジャックムスと同様ミニサイズバッグのトレンドが感じられますが、ロンシャンだけの上質でエレガントなデザインが特徴的。  

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

ロンシャンのショールームは、パリの有名なショッピング街サントノレ通りで開催されました。ロンシャンだけのフレンチシックが感じられる今回の新しいコレクションは、クラシックなトートバッグ、ショルダーバッグ、カジュアルなクロスバック、バックパック、またオフィスルックに似合うビジネスバッグまで様々です。 

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

マージュ, MAJE 

女性に優しいブランドマージュ。マージュのレディース服のデザインは、エレガントで魅力的でありながらもユニークで、時にはミステリアスなパリジェンヌだけの魅力を引き出してくれます。マージュはJudith Milgromによって1998年に作られたブランドで、マージュの名前はJudith Milgromと彼女の兄弟、姉妹を意味します。MilgromのM、兄弟であり、マージュ共同創業者AlainのA、JudithのJ、最後に姉妹であり、サンドロ創業者EvelyneのEを取っマージュMAJEという名前が誕生しました。 

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

マージュは来年2020SSに「swimming pool」というコレクションを発表しました。会場には庭園が作られ、床には青のアクリル板を使ったスイミングプールが。南フランスのような明るく陽気な空気感のショールームでした。 

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

今回のコレクションのハイライトは、新しいロゴがちりばめられた様々なカラフルなバック、ツイードドレス、水着から素材のアイデアを得たスタイルです。 

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

マージュが発表した今回のコレクションは、パリジェンヌらしいシックなアウトフィットやバカンスルックを演出されています。 

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

パリファッションウィーク-ファッションショー 

高級ブランドだけがファッションショーを開くのではありません。新鋭デザイナー達が開催する合同ファッションショーもあります。ファッションウィークスタジオ主催のファッションショーにO’bon Parisチームも招待を受けることができました。ファッションウィークスタジオはアメリカにベースを置いている会社で、この会社の運営するファッションショーではフランスのブランドだけでなく、他の多くの国のブランドのデザインを見ることができるチャンスです。 

時代をリードし、アバンギャルドなファッションショーで新鋭デザイナー達がそれぞれのデザインを披露しました。その中でも特徴的だった3つのテーマを見てみましょう。     

 

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セブンティーズスーパークラッシュ, SEVENTIES SUPER-CLASH

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

Paco RabanneとAltuzarraは、1970年代のスタイルベースに未来志向的なパターンを組み合わせて、完全に新しいスタイルを披露しました。このようなヴィンテージルックは、別の新鋭デザイナーYu Linの作品でも見られます。Yu Linは龍、ひょうたんなどの要素を交えた、伝統的な台湾の生地と蛍光色を組み合わせて、過去と未来が同時に表現された新しいビジュアルの作品を見せてくれました。  

 

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レース, LACEWORK

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

ロエベ、アレキサンダー・マックイーン、イザベル・マランなどいくつかの世界的なブランドで、今回の2020SSに注目された素材であるレース。新鋭ブランドであるVonlippeとTrisha Shermanがレースを用いたボヘミアンルックを披露しました。ドレスやスカート、さらに塔まで、頭からつま先までレースで作られた前衛的なファッションを見せてくれました。 

 

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エコロジー, ECOLOGY

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー

異常気象の重大性を訴えるため、ファッション界でも環境保護やエシカル製品志向への動きが強まっています。たとえば、100パーセントバイオ材料の使用やフェアトレードなどがポイントとしてあげられます。今回のファッションショーでステラ・マッカートニーは自分のファッションウィークのショーを自然親和的に作り上げ、別のデザイナーであるNazarene Amictusは自然が与える生地を活用して、自分の宗教観を示しました。加工されていないリネン、ベルベット、レザーなどの材料を組み合わせてシンプルなカッティング、ステッチ、ニッティングの方法を活用して自然と人間とのつながりを表現されています。 

 

パリファッションウィーク2020SS ファッションショー リッツパリ

O’bon Paris’ tip 

複数のメディアとブロガーたちによってファッションショーのチケットを手に入れるのは簡単ではありません。ブランドは、主に40パーセントは大規模なメディア会社、30パーセントはバイヤー、そして残りはブロガー、インフルエンサー、VIPの顧客にファッションショーのチケットを提供します。しかし、ファッションを愛し、自分のSNSがあるならメールを送って、インビテーションを求めることも可能です。または毎週金曜日のギャラリーラファイエットで本格的なファッションショーもあるので詳しくはこちらをチェックしてみてくださいね。    

 


著者 Yuka Ishihara

撮影 Yuka Ishihara & Ya Hui CHANG