旅をするのは、新しい自分の発見、新しい世界や人々との出会い、たくさん学ぶことのできる素晴らしい機会になります。あなたはどのような旅が好きでしょうか?大自然の中を駆け巡る旅、綺麗な街々の景色を見て感動する旅、一定期間滞在して地元に溶け込むような旅。十人十色の旅のスタイルがあってそれぞれが目的も違って素敵なものです。しかし、旅行をする際は旅行者をターゲットとしてそれだけで作られている世界観やビジネスが多く存在するのも現在の社会です。「よりローカルな旅行を」できるためのTIPS(コツ)を提供することを目的とする旅人から始まったO'bon Parisからいくつかの気を付けるべき点、より楽しむために工夫ができる点などをまとめてみました。
どんな旅行がしたいかによって旅も見える世界も全く異なってきます。より忙しく様々なことを詰め込んだ旅程を立てる観光の多い旅行なのか、現地で目で見て様々なものを発見しに行く旅行なのか、旅行の準備段階でどのように準備をするのかによっても変わってきます。気を付けたいのは前者の方です。パリやバルセロナ、ローマなどの最も人気の行き先では観光客をターゲットとした罠がたくさんあります。団体ツアー旅行のパッケージや大きな旅行サイト、ガイドブックなど様々な方法や情報源を使って旅程を立てますが、その中でいかに、より現地ならではの価値のあるものを見つけられるかがポイントです。まずは、決めてしまう前に、自分に問いかけてみてください。費用や時間をつかってせっかく行く旅行です。「この旅行で何をしたいんだろう。」「この旅行から何を得たいんだろう。」それは、日ごろの疲れから何も考えずゆっくりできることであるかもしれないし、たくさん新しいものを見たいという好奇心かもしれないし、どの理由もあっていいものです。自分を主人公として何をしたいのかを考えれば、おのずとこんな旅行ができたらいいなあというぼんやりしたイメージが湧いてくるはずです。インスタグラムの綺麗な投稿に必死になってしまって、現実から離れた世界に入ってしまうと、ふとした瞬間に寂しく感じることもあるでしょう。まずはこうして頭の中を整理した後に、じゃあ具体的に自分を主人公として「ローカルに旅をする」とはどうすればできるのでしょうか。
旅行をするときは、時間が限られているのもあってたくさん予定を詰め込みたいものです。しかし旅行中にトラブルや予定の変更はつきものなので、一時間単位などで旅行の予定を詰め込みすぎないようにしましょう。どうしても行きたい場所が多すぎて旅行の予定を詰めたいのであれば、半日はフリーにしておくなど余白を残す方法でも大丈夫です。旅に余白を残しておくと、地元の穴場スポットや様々な気づきから始まる旅をすることができます。ガイドブックに載っている情報やウェブサイトのトップでヒットしている場所だけを行くと、気づけば結局は観光客だけに囲まれた場所にいたなんてことも良く起こります。
テーマパークとは異なり、旅をする先には人々の暮らしがあります。「パリ症候群」という言葉があります。これはパリに来て実際の街の汚さや描いていたロマンチックな街とは異なるパリの現実にショックを受けてしまう日本人のことを指す言葉ですが、そのような社会的な側面から受けるショックというのはどこにでもあります。その衝撃はスリから起こるのかもしれないし、自分が目で見た出来事から起こるのかもしれません。ただ、どの街にも社会の構造的な問題や環境的な問題など様々な問題が潜むのであり、それを学ぶのも旅行をして新しい世界を見る醍醐味へと自分の学びとして吸収をすれば、旅行がより楽しくて意義のあるものになります。様々なことから学ぶことが冒険をする良さです。
ツアーのパッケージを予約すると移動などもすべて手配してくれていてとても楽に旅行をすることができます。旅行はとても体力がいるので、ツアーで旅行をする良さも大分にあります。その一方でローカルな移動手段であるメトロやバスなどを使うことは、人々がどこによく行っていて、どんな人がいて、と普段からそこで実際に暮らす人の流れを見るのにも良い機会です。どこで降りてどこに行きたいのかも自分で自由に決めることができます。
衣食住の中でも「住」は最も文化的な側面やそれぞれの人の暮らしの違いが国ごとに大きく出るものです。チェーンのホテルなどに滞在すると、どの国に行ってもスタイルは変わらないことも多いので、よりローカルな暮らしが見たいという人には、ホテルの中でもその国や街のスタイルや特徴にこだわったものを選んだり、Airbnbなどの地元の人々がシェアする宿泊サービスなどのプラットフォームを利用することをおすすめします。
時計までカバンにしまうというのは誇張表現ですが、要は、地図上の旅行をするのでもなく、時間に追われてしまうのではない旅行をすることを忘れないようにしようという意味です。また、地図を持ち歩いて歩くことは観光客であることを周りに示しているようなものなので、スリなどの犯罪にも合いやすくなります。地図は必ず行きたいところにアクセスするときには必要ですが、その他はあまり気にしないくらいの方が気持ち的にも楽です。よさそうだなと思うエリアの駅に降りてあとは適当にあるいてみるのもおススメです。
地元で暮らしている人はいつも、日常の生活という視点で見ていいなと思う情報をシェアしてくれます。そういった人々のブログやインスタを読んでみるのは楽しさもありますし、いい情報を得ることができます。また、オンラインコミュニティに参加するというのは少し高度ですが、そういったフェイスブックなどのグループに参加したり、フェイスブックで出てくるおすすめのアクティビティイベントなども参加してみてください。自分の所属するコミュニティやロケーションによって提供される情報が変わってきます。特別好きなものがあるときなどはハッシュタグを使うのもおすすめです。
大きな都市であればどこでも観光局のオフィシャルサイトがあり、近日中に起こるイベントなどが載せられています。検索をしてイベントに参加しましょう。イベントによって千差万別ですが、金曜日から週末にかけて多い蚤の市などはその国のアンティークなものなど興味深いものが多く揃うものもあります。展示会は文化的なテーマを持ったものが多くあるので、内容を見て興味のあるものに参加してみてください。ライブなどに参加するのも、観客の空気感が違って面白いかもしれません。
有名な広場や大聖堂などの観光スポットから離れた場所にたくさんの人が集まるのには理由があります。人の口コミやつながりで広がる場所は強い印象や良さを人々に与える場所です。また知り合いやお店の店員さんなどにおすすめの場所を聞いてみるのも一つです。
本を読むのは好きでしょうか?それとも映画を観るのが好きでしょうか。一つおすすめなのは、その国や地域、文化などをテーマとした作品に触れてみること。それは小説でも、映画でも、アートでもなんでもありです。現地で暮らす人々や背景を持つ人々の語るものや表現するものにはその地の特徴が表れていて理解を深めるための視点を拡げさせてくれます。「学ぶ」と固く思わず自分の興味に沿って好きなテーマを選ぶのがおすすめです。
他国の言語を一から学ぶというのはとても労力のいる作業です。その土地に長いをするか、かなりインテンシブに言語を勉強するかしない限りは中々言語を習得することはできません。しかし、その土地で暮らす人々は彼らが離す言語を少しでも使えば喜んでもらえるものです。旅行先の遊びの舞台として受容するだけでなく、その文化に近づこうとする積極的な姿勢が感じられると、悪い印象を持つ人はいません。「こんにちは」「ありがとう」「私は~語は話せませんが、英語は話せますか?」などの基本的なフレーズだけでも覚えていくことはとてもおすすめです。
もっともっと地元に近い暮らしや特別な旅がしたい、という方には以下もおすすめです。
イート・ウィズ (EAT WITH)
地元の料理や人々と一緒にご飯を食べたいのであれば、EAT WITH はぴったりの選択肢です。様々な人が参加する可能性があるので英語が話せる方がベターです。
カウチサーフィン (COUCHSURFING)
近年は、より世界的に有名になってきたCouchsurfing ですが、こちらは宿を無料で提供するというもの。Airbnbと異なるのは、ホストとコミュニケーションを取るのが前提であること。ただ宿泊施設として使うだけでなく、ホスト側も世界中の様々な人に会って色んなことを知りたい好奇心旺盛な人が多いです。人対人のつながりで旅をするためのプラットフォームです。アムステルダムなど人口密度や観光客の数が多いところではホストを見つけるのが難しいですが試す価値はありです。知らない人の家に行くのは不安になりますが、レビューの数とコメントを確認すればどのような人柄なのかをちゃんと確認できます。
ワークアウェイ (WORKAWAY)
より長めの経験をしたければワーキングホリデーなども選択肢に入りますが、 WORKAWAY は欧米諸国で非常に人気です。そこで働く代わりに宿と食事を滞在期間中用意してもらえるというプログラムのプラットフォームで自分の行きたい行き先とやりたい内容をしっかり選ぶことができます。