テイスト・オブ・パリはグランパレで行われる美食の祭典。フランスの新進気鋭の若手シェフから有名なスターシェフたち50人余りを会場に迎えます。ミシュラン３つ星級のシェフたちが一同に集う、まさに世界最高の美食フェスティバルと言えるでしょう。
2015年から始まった、まだまだ新しいイベントですが、韓国のブルーリボンサーベイ、スペインのマドリードフュージョンなど世界で食のイベントが催されていることを考えると、今後世界的に有名なグルメフェスティバルとなるかもしれません。
素晴らしい音楽、贅沢なレストランスタンド、オープンキッチンで行われる料理のデモンストレーションなどなど、食に関わる様々な催し物が行われ、食文化を知るのにもぴったりの場です。
入場料は20ユーロ。会場内で試食をするには、チャージ式の無料のカードにお金を補充し決済していきます。お料理の値段は５ユーロから１２ユーロほど。お腹いっぱいになるまで食べるには追加で約２５ユーロほど必要だと思います。しかし、パリのミシュラン級のフレンチレストランの料理を一度に試食し比較できると考えると納得のお値段といえるでしょう。
入場するとまず目に入るのがミシュランガイドのブース。もともとタイヤ会社ミシュランが顧客のために無料で配っていた冊子が好評を得て、今では世界でもっとも影響力のある美食ガイドブックのひとつとなりました。世界中のレストランから選りすぐりのお店をさらに１つ星から３つ星に格付けしています。
メゾンルノートルは、フレンチレストランのシェフGaston Lenotreが2009年にオープンしたベーカリーブランド。Quatre Quartというパウンドケーキが有名です。
スタンドを隅々まで歩き回ってみると、多くのブランドが無料の試食を提供してくれているのを見つけることができるでしょう。Comptoire du Caviarもそのひとつ。約20年の歴史あるキャビアと魚卵専門店には、23ユーロから200ユーロ台までと幅広い価格帯のキャビアが並んでいました。
しっかりとしたオリーブ独特の香りを感じられるスペインのオリーブオイルブランド。試食してみた製品は、ぽったりとした蜂蜜のようなテクスチャーのオリーブオイルソース。オリーブの豊かな風味がぎゅっとつまっていました。価格は９ユーロ〜と比較的安価です。
ミシュラン３つ星の主人公、ギー・サヴォアの特設キッチンはやはり一番人気。長い長い行列を経て、シェフ特製のスープを味わうことができました。
キノコとトリュフがたっぷりのブリオッシュとアーティチョークとトリュフのスープ。短いが楽しい一瞬の口福です。
マンダリンオリエンタルホテルパリのシェフを務めるTHIERRY MARX。お客様の前とは違い、キッチンに入ると途端にカリスマ性溢れる鋭い視線でスタッフたちを指揮するプロらしい姿を見せてくれました。
彼のメニューの中から、２つの料理をチョイス。まずはキノコを鶏肉でくるくると巻き、サクッと揚げて特別なソースをトッピングした一品。つるりと軽い鶏肉のラビオリが一緒にサーヴされました。これは実際にマンダリンオリエンタルホテルの人気メニューのひとつ。流石の味に大満足です。
２品目は子牛の後ろ足とトリュフキノコの入ったマカロニの一皿。ほぐれるような肉質、豊かな旨味をたたえた肉汁にトリュフの風味。見た目からコンセプト、味わいまですべてが完璧な料理でした。
エクレアの天才シェフCHRISTOPHE ADAM。フランスで最高のパティシエと名高い彼の作る独創性溢れるエクレアは、パリにエクレアブームを巻き起こすきっかけにもなりました。このエクレア専門店は、パリ中心部だけでも複数店舗構えるだけでなく、世界各地に展開しています。
2002年から３つ星を取り続けているフレンチ界の大物シェフFREDERIC ANTON自身もテイスト・オブ・パリの会場に登場しました。ブーローニュの森にある彼のレストランは、パリ市内から離れた森の真ん中に位置しており、まさに日常から離れた特別な時間を提供してくれます。
フランスで大人気の料理対決番組TOP CHEF 2017優勝者のジェレミー。若い感覚で華やかな美しいプレートを仕上げ、多くの人々から喝采を浴びていました。
来年度、2018年のテイスト・オブ・パリも様々なスターシェフたちが大いに会場を盛り上げてくれることでしょう！