Le Train Bleu - 宮殿のようなフレンチレストラン

20/10/2015

劇場のようにクラシカルで優雅な店内

扉を明けると、まるで劇場か宮殿のような世界が広がる老舗フレンチレストラン、”Le Train Bleu(ル・トラン・ブルー)”。数々の彫像やシャンデリア、フレスコ画に金細工といった豪奢に装飾された壁は、まるでヴェルサイユ宮殿やフォンテーヌブローのお城で食事をしているのかと、錯覚を覚えさせます。パリはリヨン駅構内に店を構えるレストラン”Le Train Bleu(ル・トラン・ブルー)”。20世紀の初頭には、かの有名デザイナー、ココ・シャネルが頻繁に訪れたことでも有名です。

ノスタルジックな雰囲気

あたりを見渡すと、シックにドレスアップしお食事を楽しむ人々の姿が目に入ります。ノーブルな雰囲気の店内の中、オートクチュールを纏ったマダムとムシューがアートや政治、人生について語り合う様子はまるでパリの黄金期ベル・エポックそのもの。

欠点のないサービス

店内に入ると、魅力的な笑顔のスタッフに、暖かく迎えられます。英語に堪能なサービススタッフが料理について丁寧に説明してくれます。アペタイザー担当、ワイン担当、メインディッシュ担当と、それぞれのポジションに責任とプライドをもっているサービススタッフ達。彼らが最大の敬意を払って、おもてなしをしてくれます。

注文を終えると、まず運ばれてきたのは、レッドワイン。ワインを飲みながら、パリ旅行の思い出を語り合っていると、もうすぐパリを発つことが信じられず、"絶対またパリに戻ってくる！"と心に誓いました。

Entreé (前菜)

続いて、白ワインと共にアペタイザーをオーダー。フランスにいるんだから本場のフォアグラを食べないと！と、アペタイザーには、白ワインと相性の良いフォアグラとサーモンを選びました。パンと共にフォアグラを味わうと、口中に芳醇な香りが広が広がります。フランス人のアペリティフにはフォアグラが外せないことに納得しました。ワインは、Blaye-côtes-de-bordeaux(ブレイ・コート・ドボルドー)にあるシャトー、Chateau Haut-GrelotのSauvignon Sémillon(ソーヴィニヨンセミリオン)をオーダー。芳醇なアロマの香りと生き生きとした酸味が見事にブレンドされています。

Plat(料理)

お食事のハイライトでもあるメインコース: チキンとマトン。シェフがテーブルに来て、目の前で手際良くマトンをスライスしてくれるので、お肉の上質な部位を余すところなく堪能できます。表面の火が通った層から内側のミディアムレアな層とで風味が変化します。ワインは、ボルドーにあるCôtes de Bourg (コート・ド・ブール)のシャトー、Château Laroche Joubert産の赤を選びました。苦味の全くないフルーティなクラレットでチキンとマトンによく合います。

Dessert(デザート)

デザートはグラン・クリュのチョコレートケーキとババ・オ・ラム。グラン・クリュのチョコレートケーキはバニラアイスが添えられたプロフィトロール(シュークリームのようなお菓子)。マスターがチョコレートとラムをその場で注いでくれます。程よい甘さで、メインコースの快い後味を中和してくれます。甘党の人は、添えられたホイップクリームつけるのもオススメです。マスターにお願いすると、チョコレートとラムを追加で注いでもらえます。

忘れられない記憶

4時間に及ぶお食事を締めくくるのは食後の紅茶。感慨深く1口1口味わっていると、ちょうどパリ万博の行われた1900年に改装したばかりの宮殿にいる気分になり、当時のパリのブルジョワ、後世に名を残した芸術家達が集い、最高峰のデコレーションのレストランを賞賛し、この街で出会った人や起きた出来事について語り合ったベルエポックに思いを馳せました。ここで過ごした時間は、今までの人生で最高の思い出の一つになりました。